国試まとめ「急性白血病」


1.病態生理
白血球系の細胞に①腫瘍性の増殖および②分化障害を生じたもの
芽球比率>30%~20%

2.分類
無題
訂正「主な原因遺伝子」→「原因となる染色体異常の例」
※M3ではアズール顆粒内の酵素により凝固系が活性化しDICを起こしやすい

3.症状
骨髄内で芽球が占拠→正常造血が低下
・RBC↓貧血(54%)
・WBC↓感染症(53%)
・PLT↓出血(52%)
その他、体重減少(29%)脾腫(64%)骨痛(43%)
Leukemias in children Dr.K.V.Giridhar Associate Prof. of Pediatrics GMC. Ananthapuramu, A.P., India. 4/28/2014

4.治療法
ガイドラインの治療アルゴリズムを簡略化すると以下のようになる
造血器腫瘍診療ガイドライン2013年
≪AMLの場合≫
(1)寛解導入療法
IDR+AraCまたはDNR+AraCの二剤併用療法
(2)造血幹細胞移植の適応
同種造血幹細胞移植の適応に関する明確な指標は存在しないが、国家試験的には以下のように考えてよいだろう
①年齢が比較的若いこと
②non Low Risk
③ドナーがあること
(3)地固め療法→維持療法と進む
※Low Riskとされる因子:年齢が若い、PSが良好、新規、寛解が早い、特定の遺伝子変異などが報告されているが、国家試験的に覚えるべきは以下の「染色体異常」であろう。これらは病態形成の機序が分かりつつあるという特徴がある。
①APLの原因となるt(15,17)
→ATRA療法が寛解導入として有効である

②CBF白血病と呼ばれるt(8,21) inv(16)
→AraC大量療法が寛解後療法として有効である
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国試まとめ「胸痛」

1)疼痛の定義と分類
痛みの定義:実際に何らかの組織損傷が起こったときに生じる不快な感覚。
無題1

(参考)がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)


2)鑑別と所見
こまかなエビデンスは各疾患のまとめに譲る

①5killers chest pain:鑑別しないと命にかかわる5大疾患
「突発=破れる/詰まる」疾患が怖い
鑑別には随伴症状が有効

図1

頻度:J Emerg Med. 2005 Nov;29(4):383-90
*1 McGee Evidence Based Physical Diagnosis(2nd edition)より推計
*2 Ann Emerg Med 2010;55:307-15
*3 Ann Surg 2015;261:1068–1078
*4 Ann Thorac Surg 2008;86:962-6
*5 Asian Cardiovascular & Thoracic Annals 2014, Vol. 22(8) 997–1002

②比較的命にかかわらないが頻度が高い

無題2
頻度:Nawar et al 2007
肋軟骨炎についてAm Fam Physician 2009;80:617-620

③それ以外は解剖学的な観点から鑑別するとよい。
特にプライマリケアでは筋骨格系の疾患と腹部疾患の可能性が高い
無題3
Fam Pract 2001 Dec;18(6):586

3)治療:それぞれのまとめに譲る

国試まとめ「GVHD」

1.病因と病態生理
DonerT細胞による患者組織やリンパ球への攻撃が主な病態である。
特に患者の皮膚に存在するランゲルハンス細胞や腸管免疫を担う樹状細胞によるアロ抗原提示による機序が想定されている。

無題
日本小児血液学会雑誌 Vol. 19 (2005) No. 2 P 84-86

2.症状
≪急性GVHD≫皮膚・肝・消化管の少なくとも一臓器の障害が移植後100日以内に存在しGVHD類似の他の疾患が否定されること。
①消化器:下痢、嘔吐(感度62%, 特異度75% LR:2.48)など
②皮膚(感度62%, 特異度75% LR:2.48):紅斑、水疱など
③肝障害(感度71%, 特異度50% LR:1.42):黄疸など
Pediatr Gastroenterol Hepatol Nutr. 2016 Mar;19(1):29-37.より推計
≪慢性GVHD≫膠原病様症状

3.治療
予防:カルシニューリン阻害薬cyclosporin又はtaclorimusとMTXの2剤併用療法
治療:mPSL
「造血細胞移植ガイドライン GVHD」日本造血細胞移植学会

国試まとめ「心電図②」

4)実際の心電図の読み方
〔STEP1〕血行動態の把握@Ⅱ誘導
まずⅡ誘導だけ見て、「血行動態に問題がないか」判断する

①正常洞調律かどうか判定する
≪定義≫
・「正常」とは?:脈拍=60/min~100/min
心電図の大きいマス=0.2秒であることを考慮すると
{脈拍の公式}HR=300/大きなマス 大3~5が正常
・「洞調律」とは?:洞結節によりリズムが生まれている
a)P波の後に必ず1:1でQRSがある 
b)右房からリズムが出ている、つまりP波が上向き@Ⅱ誘導
c)波形がどれも同形である

②脈拍正常じゃない→「頻脈か?徐脈か?」不整脈のまとめに譲る

〔STEP2〕心臓のポンプ機能の把握@主に胸部誘導
PQRSTを順番に漏れなく見るのが重要である

①P波の形を見る→心房負荷の判定
RA負荷:V1でトンガリP波
LA負荷:V1で二相性P波

②PQ間隔を見る→心房/心室間の伝導の異常を判定
正常値:PQ=0.12~0.20(小マス3~5)
PQ短縮:WPW症候群
PQ延長:AVブロック
→それぞれのまとめへ

③QRS波の形を見る
a)心室負荷の判定
大きさと軸変化を見る
無題の画像5

※軸変異についての簡易的な判定法
QRS Ⅰ誘導 aVF
正常 陽性 陽性
右軸偏位 陰性 陽性
左軸偏位 陽性 陰性
無題の画像6

b)ブロックの判定
ブロックがある方の波形は「遅れて目立つ」
無題の画像7

※左脚分枝ブロック:軸の偏位のみ。異常の方が目立つためそっちに軸偏位
前枝(左下へ):左軸偏位
後枝(右後へ):右軸偏位

④QT間隔をみる
正常値:QTc=QT/√RR ただし、QT実測値がRRの半分以上なら少なくとも異常
QT短縮:QT短縮症候群 ※重要度低いため省略
QT延長:QT延長症候群
→それぞれのまとめへ

⑤T波の形を見る
テント状T波:高カリウム血症 ひどいとP波消失 QRS幅拡大でsin waveへ
T波減弱、U波:低カリウム血症

〔STEP3〕虚血・梗塞の有無の把握@セットで見る
セットとは?

①ST変化をみる

※Brugada症候群

※心外膜炎

②異常Q波をみる

③冠性T波をみる

(参考文献)

国試まとめ「心電図①」(作成中)

3つのステップで読む心電図の読み方


1)心電図波形の意味
伝導系は洞結節→心房→房室結節→ヒス束→右脚・左脚(前枝・後枝)と伝わる
P波:心房の興奮 QRS波:心室の興奮の始まり ST:心室の興奮のピーク T波:心室の興奮の終わり

2)肢誘導・胸部誘導(全12誘導)
心臓の電気現象は本来は三次元的な起電力のベクトルで表されるものである。それを2次元の平面に投射しなくてはならない。

①肢誘導:胸壁に平行な平面上での電気活動を観察。
Ⅰ誘導:右手から左手の向き、Ⅱ誘導:右手から左足の向き、Ⅲ誘導:左手から左足の向きにベクトルを投射
aVR:右手の起電力、aVL:左手の起電力、aVF:左足の起電力 ※右足の電極はアースである
無題の画像1

②胸部誘導:胸壁に垂直な平面上での電気活動を観察。
V1:胸骨右縁第4肋間→心臓右壁の活動を示唆 V2:胸骨左縁第4肋間 
V3:V2とV4の中点 V4:左鎖骨中線第5肋間→心臓前壁の活動を観察
V5:前腋窩線第5肋間 V6:中腋窩線第5肋間→心臓側壁の活動を観察
無題の画像2

3)各波形の機序
P波:右房興奮へのベクトルと左房興奮へのベクトルの合成波

無題の画像3

QRS波:①ヒス束②右室側が先に伝導(やや右上)③左室側の興奮へ(左下)④最後に後方基部の興奮へ(右後方)
T波:滑らかな興奮は心内膜側の心筋から外側の心筋へ伝わる。逆に再分極は外から内の順で起こる
したがって、それぞれの誘導が「見る方向」を下図のように考慮すると
Ⅱ誘導:典型的波形 aVR:P波/QRS波陰性 V1:RSパターン V6:qRパターン
となるのも理解できる
無題の画像4
プロフィール

紀藤碧

Author:紀藤碧
北国の医学生(現在5回生)。
たまに、個人的なことを書くかもしれませんが、国家試験のための勉強まとめが中心です。当ブログは、医学的な助言は一切行っておりません。病気の相談や医療的責任は負えません。できるだけ、エビデンスに基づこうとしていますが、所詮は試験対策ですのでご了承ください。

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